日本歯科医師会の調査によると、約8割の方が「自分の口臭が気になったことがある」と回答しています。
また、口臭を気にしている人の割合は、男性より女性の方が1割ほど多い傾向があります。
口臭は誰にでも思い当たる悩みですが、臭いを軽減するためにはどうしたらいいでしょうか。
そのために、まずは口臭の原因から探っていきたいと思います。
口臭の3つの原因
1.病気による口臭
虫歯や歯周病によってお口の細菌が増えると、口臭が発生します。
咳をしたときにノドから出てくる白いかたまり(俗に「におい玉」と呼ばれる、扁桃腺に詰まった膿栓)も臭いの原因になります。
また、お口のなかは胃や鼻腔ともつながっているため、胃潰瘍や蓄膿症でも起こります。
2.飲食物による口臭
「ニンニクやネギがたっぷり入った料理を食べたあとは口臭がする」ということは、一般的によく知られています。その他にも、飲み過ぎた翌日に酒臭かったり(アセトアルデヒド)、乳製品が口臭の原因になる場合もあります。
3.生理的な口臭
誰もが生まれつき持っている口臭です。個人差がありますが、それほど強い臭いではないため、あまり問題になることはありません。
朝起きてすぐの時や空腹時など、一時的に臭いが強くなる場合があります。
上記の3つの原因以外に、実際には臭っていないのに「自分の口は臭いのではないか」と気になってしまうのは「心因性口臭」と呼ばれます。
寝起きの口臭が強くなる理由
一日のなかでも口臭は変化します。
朝起きたときや空腹時に口臭が強くなることは、経験的に感じている方も多いと思います。
これには、だ液の分泌量が関係しています。
だ液には口の中の清潔に保つ働きがありますが、睡眠中や空腹時にはだ液の分泌量が少ないため、口内で細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因になります。
また、精神的に緊張するような場面でも「口が渇く」ことが多いため、一時的に口臭が強くなる傾向があります。
自分でできる口臭予防は?
口臭の主な原因は口の中で繁殖した細菌なので、①歯磨きをしっかりする ②舌みがきをする ということが基本的な予防法になります。
歯磨きや舌みがきをしっかり行ったあとで、マウスウォッシュを併用するとさらに効果的です。
正しい舌みがきの方法
舌の表面に付着している白い苔のようなものを「舌苔」といいます。
この舌苔とは、舌の細胞組織がはがれたものや食べかすが舌の表面に付着したもので、ここに細菌が繁殖すると口臭の発生源になります。
そのため、この舌苔を取り除くことが口臭予防に効果的ですが、歯ブラシで強くこすると舌の表面を傷めてしまいます。
子供用の毛先が柔らかい歯ブラシや粗めのタオルなどを使って、口の奥から手前に向かって一方向に(ゴシゴシ往復するのではなく)やさしく3〜5回程度行うのが基本的な方法です。
また、ドラッグストアなどで舌苔専用のクリーナーが売っていますので、それを使うのもよいでしょう。
舌苔用のクリーナーにはブラシ付きのものとヘラ状ものがありますが、ブラシ付きの場合はゴシゴシこすらないように注意してください。
今回は、ご自身で手軽にできる口臭対策として「舌みがき」の方法をお伝えしましたが、口臭の原因は舌苔だけではありません。
歯周病や虫歯が原因になっている場合は専門医の治療が必要になります。
「最近口臭が気になる」という方は、定期検診も兼ねて歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。