ご自身で行う虫歯や歯周病予防の代表選手といえば、何といっても「歯みがき」ですね。
「毎食後、きちんと歯みがきしているよ!」という、健康意識の高い方もたくさんいらっしゃいます。
できるだけ長く自分の歯を残すためにも、ぜひ続けていっていただきたい習慣です。
今回のブログでは、そうした方々にも役に立つように「いつ歯みがきをするのが効果的か?」というポイントについてお伝えしたいと思います。

就寝前の歯みがきがとっても大切!
食後の歯みがきはもちろん大事ですが、一日のなかで一番重要な歯みがきのタイミングは、実は「寝る前」なんです。
その理由は、就寝中はだ液の分泌量が減っているからです。
だ液には、食べ物を分解するだけでなく、口の中を洗い流す働きや、酸性になった口の中を中和する働き、虫歯で溶けた歯の表面を修復(再石灰化)する働きなどがあります。
つまり、だ液がたくさん分泌されていると、虫歯になりにくくなるんですね。
日本人の平均睡眠時間は7時間ほどです。
この時間はだ液の分泌量が減っているので、細菌が増殖しやすくなります。
ですから、寝る前にしっかり汚れを落としておくことが大切なんです。
きちんと磨いたつもりでも、歯ブラシだけではどうしても磨き残しが出てしまいます。
特に就寝前には、デンタルフロスや歯間ブラシを使ったり、殺菌効果のある洗口液でしっかりケアすることをお勧めします。
放っておくと落としにくくなる歯垢
口の中に食べかすが残っていると、そこに含まれる糖質をエサにして、細菌がどんどん繁殖してしまいます。
このようにして増えた細菌の塊が、歯垢(プラーク)です。
歯垢は、わずか1mgの中に数十億個の細菌がいるといわれており、虫歯や歯周病の原因になります。
さらに、歯の表面に歯垢がついたまま放置すると、バイオフィルムと呼ばれる膜(排水溝のヌルヌルと同じ仕組み)ができ、2週間後にはほとんどが歯石になってしまいます。
バイオフィルムはブラッシングだけでは落としづらく、歯石になるともう歯ブラシでは落とせないので、まだ落としやすいうちにこまめに歯みがきするのがセルフケアのポイントです。
毎食後のケアは
毎食後に歯みがきすることで、まだブラッシングで落としやすい食べカスのうちに、効果的にクリーニングをすることができます。
この時のタイミングですが、食後すぐは食物の酸によって歯の表面が弱くなっているため、できれば食後30分ほど経ってから歯みがきするのがよいです。
食後はだ液の分泌が活発になっているので、少し間をあけることで口の中が中和され、歯の表面を保護してくれます。
といっても、職場の昼休み時間などで「30分もあけられない」という方は、あまり神経質にならず、すぐに歯みがきしてもよいでしょう。
強い力でブラッシングすると歯の表面を傷めるため、ブラシの毛先を歯のすき間や奥歯の噛み合わせに垂直にあて、1〜2本ずつを目安に軽い力で小刻みに動かします。
どんなに歯みがきが上手な方でも、必ず磨き残しがあります。
目立たない部分から歯石化するので、毎日のセルフケアに加えて、数ヶ月ごとに歯科医院でおこなうプロフェッショナルケアを組み合わせるのが、虫歯予防の基本になります。