お口の中にむし歯があるのに「まだ痛くないし、どうも歯医者は苦手だからぁ…」と、なかなか通院できない方も多くいらっしゃると思います。
今回は、この「なんとなく歯医者が苦手」という気持ちについて考えてみます。
苦手な理由① 子供の頃の記憶
小学校の頃の歯科検診でむし歯を指摘され、しぶしぶ歯医者に通った方も多いと思います。その頃の体験から「痛かった」「先に治療室に入った子が大泣きして怖かった」「キーンという音やツンとくる消毒液のニオイが苦手」という印象が残り、大人になってもずっと歯医者が苦手のままの方もいらっしゃいます。
ただ、大人になって久しぶりに歯科に通った方の多くが「あれ? 思ったより怖くなかったぞ」という感想を抱かれるようです。
昔に比べると、歯を削るモータの音や消毒液のニオイはだいぶ改善されていますし、治療室で大泣きする大人はあまりいません(笑)。
それに、痛みについての対策もかなり進歩しているのです。
痛みを感じたときにはすぐ手を上げて
歯のエナメル質の下にある象牙質には、歯根の神経に情報を伝えやすくするために、多くの微細な穴が空いています。
そのため、むし歯の治療でエナメル質を削って象牙質まで到達すると、「痛っ」と感じる場合があります。
もしも痛みを感じた際は、遠慮なく手を上げて合図してください。
すぐに治療をストップして、麻酔をかけるなど痛みを取り除くための対策をとります。
「そもそも、その麻酔の注射が痛いんじゃないの?」という方もいらっしゃると思いますが、昔に比べて麻酔の針も細く進化していますし、注射をする前の表面麻酔などもありますのでご安心ください。
また「どうしても痛みが苦手です」という方は治療前に麻酔を行いますので、遠慮なくお申し付けください。
苦手な理由② 口の中を見られたくない
お口の中はあまり人に見られる場所ではないため恥ずかしく感じたり、「歯垢がたまっていないだろうか」とか「口臭があったらどうしよう」と不安に思われる方もいらっしゃします。
しかし、私ども歯科医はプロなので、日々多くの方の口内を「より健康にする」という観点で診察しています。
歯垢や歯石を放置するとむし歯や歯周病の原因になりますし、口臭の発生源になっている場合もあります。
そういったお口の中の悪い状態を、健康的な状態に回復させるお手伝いをするのが歯科医の仕事ですので、どうぞ気兼ねなくご来院ください。
