前回の記事では、高齢になってもできるだけ自分の歯を残すためのポイントとして「予防歯科」の大切さをお知らせしました。
今回は引き続き、定期検診はなぜ必要か?ということをお伝えしたいと思います。
定期検診では何をするのか?
歯科の定期検診では以下のようなことが行われています。
- 虫歯があるかどうかのチェック
- 歯ぐきの状態のチェック
- 磨き残しがないかどうか、プラークや歯石のチェック
- プラークや歯石の除去
- 磨き残しの状況にあわせて、正しいブラッシングを指導
- かみ合わせやお口の違和感がないかをチェック
- その他、気になることがないかを問診
定期検診自体は一回の通院で済みます。
(お口のなかの状態によっては、検診後に通院が必要になることもあります)
理由1:早めに発見・早めに治療
虫歯は「痛みが出てから歯医者にかかる」という方も多いと思います。
でも、痛みが出ているということは、虫歯がかなり進行している状況のため、歯や神経を抜かなければならなくなる可能性も高くなります。完治するまで何回も通院することになり、治療費もトータルで数万円以上かかってしまう場合もあります。
それを防ぐためには、初期の段階で虫歯を発見・治療をすればよいのですが、初期虫歯は自分では気づくことが難しいのです。
特に、歯の裏側や、歯と歯のすき間にできた小さな虫歯は、自分で発見することはほぼ不可能でしょう。
定期検診に来ていただくと、歯科医が診察するので、ごく初期の虫歯でも見つけることができます。ごく小さな虫歯ならその日のうちに治療したり、「治療せずに経過観察をしましょう」という判断もできます。
そのため、通院・治療の手間・コストが最小限であるといえるのです。
また、歳をとってから歯を失う原因の一番の原因は虫歯ではなく、歯周病によるものです。
この歯周病はサイレントディジーズ(静かな病気)ともいわれており、病気という自覚がないまま進行し、自覚症状が出る頃には重症化しています。
そのため、まだ初期の軽度な歯肉炎の段階で気付いておくこと、正しいブラッシングなどで歯周病菌が増えにくくすることが大切です。
理由2:虫歯や歯周病になりにくくする
予防歯科の基本は、お口の中のいる虫歯菌・歯周病菌を減らすことです。
正しいブラッシングをしたり、歯の間などについたプラークや歯石を除去して、菌が活動しにくくします。
でも、どんなにていねいにブラッシングしても、実は自分で完璧に行うのは難しく、どうしても磨き残しが残ってしまいます。磨き残したプラークが固まって歯石になると、通常の歯ブラシで落とすことはできません。
そのため、歯のメンテナンスのために定期的に歯科医院に通っていただくことが大切なのです。
定期検診の頻度は、理想的には3ヵ月に一回ですが、忘れないようにするために、ご自身の誕生日や記念日を「歯科の定期検診の日」と決めて、1年に1回通うのもよい方法です。
ぜひ定期的なメンテナンスを行って、ご自身の歯をできるだけ長持ちさせてください。