虫歯や歯周病の治療は、早期発見するほど治療が簡単で、また治療後の経過もよくなります。
そうなると、虫歯や歯周病ができてから治療するよりも、できる前に予防する「予防歯科」という方法が一番合理的といえます。
予防歯科の基本は、虫歯や歯周病の原因になる、歯垢(プラーク)や歯石、細菌のかたまり(バイオフィルム)を除去することです。
セルフケア
まず口内環境(歯や歯ぐき、歯周病ポケットや粘膜の状態など)を診察し、現状を把握します。「自分はどの部分に磨き残しが多いか」など、歯磨きの癖もチェックできます。
診察時に正しいブラッシング方法を指導しますので、ご自宅で歯ブラシや歯間ブラシを使って、正しい歯磨き習慣を身につけてください。
「食後30分は歯磨きしない」「甘いものをダラダラ食べない」など口内の健康維持に役立つ情報は、このサイトでも発信しています。
定期検診
歯磨き時に磨き残したプラークは、数日間で硬い歯石に変化します。この歯石ができると歯ぐきに炎症が起きやすくなり、新しい歯垢が付着する土台にもなるため、歯周病や虫歯になりやすくなります。歯石は磨きにくいところにできるうえ、できてしまうと手磨きでは除去できないため、歯科医での歯石除去が必要です。年に2~3回は、定期検診を兼ねて医院での歯石除去を行います。
PMCT
バイオフィルムというのは、細菌の塊のことです。台所の排水口などのヌメリと同じ構造で、細菌どうしが強く結びついているため、通常の歯磨きで除去するのは困難です。
PMTCは「プロが専門器具を使って行う歯磨き」という意味ですが、一番の目的は、このバイオフィルムをきれいに落とすことです。柔らかい器具を使って行うので、とても気持ちがよいです。
予防歯科のメリット
- 早期発見・早期治療ができ、ご自身の歯と歯ぐきを常によい状態に保てる。
- 高齢になっても歯を失うリスクが減り、自分の歯で食事ができる。
- 定期的に歯科医院に通うのは多少面倒ですが、一生を通してみると、通院回数・治療費が抑えられる。
- 正しい歯磨きや食生活の見直しなど、生活習慣の改善につながる。