「ドミノ倒し」というと、ひと昔前はテレビで特番なども組まれていたので、皆さんよくご存じのことと思います。
長い時間と手間をかけて並べたドミノが一気に倒れていくさまは爽快ですが、作業中に思いがけず倒してしまったりするとそれまでの苦労が水の泡になってしまうため、見ている側もつい手に汗を握ってしまいます。
さて、歯の治療の話題に移りましょう。
歯が抜けてしまった場合、欠けた部分を埋める一般的な治療法として「ブリッジ」や「部分入れ歯」があります。
このうちブリッジは、抜けた歯の両隣にある健康な歯を利用して、橋をかけるようにかぶせ物をする治療方法です。
かぶせ物をするために、両隣の歯も削る必要がありますが、次にご紹介する部分入れ歯と異なり治療後に取り外すことがないため、日常的な利便性が高い治療法です。
部分入れ歯は、入れ歯の両サイドにある金属製のバネを隣接する健康な歯にひっかけて装着します。装着する部位によっては金属のバネが目立ってしまったり、バネに違和感を感じる場合があります。
抜けた歯の両隣にご注意
ブリッジ・部分入れ歯とも、抜けた歯の両隣にある健常な歯を利用して取り付けることが共通しています。
そのため、どうしても両隣の歯の負担が増えてしまうので、治療後のケアを怠ると、隣の歯、その隣の歯…と、ドミノ倒し的に歯が悪化してしまうことがあります。
ブリッジの場合は、左右の歯に負担がかかって折れてしまったり内側のすき間にプラークがたまり歯周病の原因になるリスクがあります。
部分入れ歯の場合は、バネによる物理的な負担に加えて、金属バネの部分にプラークがたまりやすいため、ケアを怠ると虫歯になりやすいというリスクがあります。
テレビ番組の大規模なドミノ倒しでは、作業の途中でうっかり倒してしまった場合のリスクを減らすため、ところどころにストッパーを設置しています。
ご自身の歯の場合、うっかり隣の歯をなくしてしまっては一大事ですから、歯を抜いた後でも気を抜かずに、セルフケアと定期的な検診を欠かさないようになさってください。