「旅行中に虫歯が痛む」という話を聞いたことはないでしょうか?
実際、航空会社のホームページを見ると「飛行機が上昇・下降する際に歯が痛くなることがあります」「虫歯は旅行前に早めに治療しましょう」といった注意書きが掲載されています。
飛行機で歯が痛む原因は、気圧の変化にあります。
歯の内側には神経が入った空洞があり、その空洞の中の空気が気圧の変化を受けて膨張することで痛みを発するのです。
離着陸時に耳がキーンとするのと同じ原因ですね。
また、旅行中はスケジュールを詰め込みすぎたり、つい夜更かしをしてしまい、どうしても疲れやすくなります。
疲れによって体の抵抗力が落ちると、それまで現れていなかった痛みが表に出てくる場合もあります。

旅行中の歯みがきの工夫
旅行で長時間移動しているときは、しっかり歯みがきをしている時間がとれません。
また、国際線の飛行機では、歯みがき粉やマウスウォッシュの持ち込みが制限される場合もあります。
そんな時は、ガムを噛むのが手軽で便利です。
ガムは歯みがき代わりに活用でき、お口の中がスッキリします。
ガムの他には、水がいらない歯みがきタブレットも移動中に活用できます。
旅先で歯が痛んだら
旅行先でどうしても耐えられないほど歯が痛くなったら、最寄りの歯科医院を探して受診しましょう。
我慢できないほどの歯痛はかなり虫歯が進行している可能性が高いので、我慢するより応急処置をしてもらったほうがよいです。
その際、「旅行中なのでその後の治療はかかりつけの歯科医院で行います」と伝えておくとスムーズに進みます。
また、それほどでもない痛みの場合は、市販の痛み止めを服用することでなんとかなる場合もあります。
その場合でも、旅行から帰ったらなるべく早くかかりつけのクリニックを受診するようにしましょう。
なお、土地勘のない場所で休日や夜間に歯が痛くなった場合には、地域の名前と『歯科医師会 休日診療』と検索することで、休日や夜間でも診察してくれる歯科医院を検索することができます。
海外では高額な治療費
ここまでのお話は国内旅行の場合です。
海外では、歯科治療が保険適用外になるため、とても高額になってしまいます。
虫歯を1本治療しただけで10万円を超えることも珍しくありません。
出発前に、歯科治療費の保障がついた海外旅行保険に入ると安心です。
出発前の歯科検診
旅行中に歯が痛むと、せっかくの旅行が楽しめなくなったり、旅先のおいしい料理が楽しめなくなるなど、旅の楽しみが半減してしまいます。
このようなことならないために、旅行好きの方は定期的な歯科検診をうけるようにすることが大切です。
3ヶ月に1度の健診を習慣化しておくと、大きな虫歯などがあった場合でも、旅行の日までに対処できると思います。