8020(はちまるにいまる)運動というのは、「満80歳で20本以上の歯を残そう」という運動です。いまから30年前、1989年に愛知県で始まりました(1985年に提唱された8010運動がベースになっています)。
この運動がはじまった当初、80歳の平均残存歯数は約7本でした。2016年の調査では、これが約15本まで改善しています。また、20本の歯を残すという目標を達成した人数も50%を超えています。運動が始まってから30年で、めざましい進歩といえます。
ところで、歯科予防大国と呼ばれるスウェーデンでは、8020を達成している人は約80%にもなるそうです。この違いがどこから来るか調べて見ました。(データはいずれもライオンホームページより)
①オーラルケアへの意識が高い
「自分自身のオーラルケアに自信があるか?」という質問に、アメリカやスウェーデンでは約8割の人が「自身あり」と答えたのに対し、日本では約6割が「自信なし」と回答しています。
また、オーラルケア用品にかける費用も、日本では年間5千円弱ですが、アメリカ・スウェーデンでは8千円強となっています。
歯と歯のすき間のプラークを落とすためにはデンタルフロスや歯間ブラシが欠かせませんが、日本では多くの方が「オーラルケア=歯みがきで充分」と思っているかも知れません。
②予防歯科への理解が高い
アメリカ・スウェーデンでは約6割の人が予防歯科への理解を示しており、約7割が実践しています。
かたや日本では、予防歯科への理解を示している人は約2割にとどまっています。
日本人は「虫歯が痛くなったから仕方なく歯医者に行こう」という方が多いのではないでしょうか。
この調査では、日本でも約7割の方が「予防歯科の必要性」を感じているようです。
健康なうちから予防歯科を実践することで、スウェーデンのように8020を達成することが当然になる可能性があります。
そのためには「痛くなくても、歯の健康のために歯医者に行く」というように、少しだけ意識を変えることが大切です。