虫歯にならないためには上手な歯磨きなどの予防が大切です。
また、いったん虫歯になったら歯科で治す必要がありますが、早めに行った方が治療も軽く済み、治療後の経過もよいため、定期的な歯の検査は欠かせません。
…と、ここまでは多くの方がご存じかと思います。
今日は、実はあまり知られていない(?)虫歯治療後の基礎知識についてお話いたします。
詰めもの等で治療した歯は もう虫歯にならない !?
歯の治療で使う「詰めもの」や「かぶせもの」は、元の歯よりもずっと腐食しにくい素材でできています。そのため、虫歯の治療が終わると、多くの方は「これでもう大丈夫、虫歯にならない」と安心されると思います。
たしかに、治療してすぐの歯は詰めものやかぶせもので守られている状態ですが、以下の理由から治療後の定期的なチェックも欠かせません。
①もともと虫歯になりやすい場所にある
虫歯になった歯は、もともと歯垢(プラーク)がたまりやすい場所にありました。
プラークがどこにたまりやすいかは、その方の食べ方や歯磨きの癖によって決まります。そのため、今後も虫歯が再発する可能性が高い部位であるともいえるのです。
再発を防ぐためには、「私はこの部分を磨き残しやすいんだ」と意識して、歯磨きのやり方を変えるのが有効です。
②詰めものやかぶせものは 時間とともにわずかなすき間ができる
歯科治療で使う詰めものやかぶせものは、元の歯とのあいだにすき間がでないように、とても高い精度で作られています。
それでも、歯とは別の素材のため、摩耗の具合が違ったり、長年咀嚼をくり返すことによって、使っているうちに少しずつすき間が生じてしまいます。
このすき間から細菌が入り込むと、場合によっては「外からは虫歯が見えないのに、詰めものの中に細菌がいっぱい」などという状態になってしまいます。
そのため、一度治療した歯でも、継続的な検診が必要なのです。
歯の神経をとると虫歯にならないの?
虫歯が進行して、歯髄(歯の神経や血管が集まった部分)まで達すると、神経を取ることになります。歯の神経をとれば痛みは感じなくなりますが、だからといって、虫歯にならなくなったわけではありません。
神経を取った歯に虫歯が再発すると、最悪の場合、細菌があごの骨まで浸食して、より激しい痛みを生じることがあります。
また、歯の神経は歯に酸素や栄養を送る大切な働きをしています。そのため、神経を取った歯は、健康な歯よりもろくなっています。
当院では、大きな虫歯でもできる限り神経を取らずに済むような治療を行っています。